資産をふやすために知っておきたいリスクと投資の基本

2025年6月25日

「リスク=危険」?運用における”リスク”の本当の意味

「リスク」と聞くと、「危ない」「損をする」といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

しかし、資産運用における「リスク」とは、単に「危険」という意味ではなく、「予測通りにならない不確実性」、つまり運用成果の振れ幅を意味します。

値動きが大きい商品は「リスクが高い」と表現されますが、それは「大きく増える可能性」と「大きく減る可能性」の両方があるということです。
保険で備える「リスク(=危険)」とは異なることを理解しておきましょう。どれくらいのリスクを受け入れられるかを「リスク許容度」と言います。リスク許容度は個人の置かれている環境などによって異なります。

ローリスク・ハイリターンの商品は存在しない

「絶対に儲かる」といった”おいしい話”を耳にしたことはありませんか?
金融商品では、リスク(運用成果の振れ幅)とリターン(運用成果)は比例するのが基本です。

リスクが低ければ期待できるリターンも小さくなります。反対に、高いリターンを狙うには、それだけ値動きの幅が大きく、リスクも大きいということです。
つまり、「ローリスク・ハイリターン」な商品は理論的に存在しません。

しかし、この仕組みを知らない人を狙った投資詐欺も存在します。たとえば、「確実に儲かる」「損は絶対しません」といった甘い言葉には、「本当に可能なのか?」と立ち止まり、冷静に商品性を確認する習慣を持ちましょう。

「ふやす」ために知っておきたい3つの金融商品

資産を「ふやす」ためには、目的やリスク許容度に応じて金融商品を選ぶことが大切です。
ここでは代表的な3つの商品の特徴をご紹介します。

・株式

投資家は、企業に資金を提供して株式を保有します。企業の業績が好調な場合に配当金や株主優待、株価の値上がり益などが期待できます。一方で価格変動が大きいため、リスクも高くなります。

・債券

国や地方自治体、企業などが、資金調達のために債券を発行します。投資家は資金を提供し、債券を保有することで、定期的に利子を受け取ることができ、満期時には元本が戻ります。債券は比較的安定している商品ですが、発行体が破綻した場合など、元本が戻らないこともあります。

・投資信託

複数の投資家から集めた資金を、専門家が株式や債券などに分散投資して運用する仕組みです。少額から始められ、リスクも比較的抑えやすい点が特徴です。運用成績は市場環境などによって変動し、利益が出ることもあれば、元本を下回ることもあります。株式の割合が多いほどハイリスク・ハイリターン、債券の割合が多いほどローリスク・ローリターンの傾向にあります。

まとめ

資産をふやすには、「リスクとリターンはセットである」という基本を理解し、自分に合った方法を見極めることが大切です。
「必ず儲かる」といった話に惑わされず、正しい知識と判断力を持つことが、資産形成の第一歩となります。

J-FLEC認定アドバイザー 田中 友加