
3,4時間目の授業は、「生活設計・マネープランゲーム」を活用し、20~30歳代の人生の疑似体験から、自分の生活に必要なお金と、お金との関わり方について考えていきました。
はじめに先生から、「20歳の自分を想像してみると、どのような感じですか」という質問がありました。生徒から「楽しくて、幸せな生活をしていると思う」という意見が出たところで、先生から、幸せや楽しいという気持ちは「お金」と「満足度」に関係していることが伝えられ、ゲームがスタートしました。
係を決め、生活設計・マネープランシートの使用方法を確認した後、「職業」について考えてみました。「プロ野球の選手」、「バトンの先生」など、就きたい職業について既に考えている生徒もいました。
今回は、全て班で話し合いをしてカードを選択していく流れで人生の疑似体験をしていきました。
3枚の収入カードから、年収や働き方の特徴を確認した後、1枚を選びました。生徒からは、カードを選ぶ中で、「この金額から、税金とかひかれるんだよね」という声があがっていました。
そこで先生から、「今、税金の話が出ましたが、給与からは税金や社会保険料が差し引かれることになります。年収に対してどのくらい引かれるのか、確認してみましょう」という指示があり、資料集p2の非消費支出一覧を開き、それぞれの非消費支出を探し出し、年収と非消費支出をマネープランシートに記入しました。
収入から非消費支出を差し引いた金額で、生活をしていくことになります。
3枚の基本生活支出カードから、生活の特徴を確認した後、1枚を選びました。何にお金を多くかけたいのか班の中で話し合いながら、手取り収入の中で生活が成り立つように考えていきました。
現在の貯蓄額を考慮しながら自動車の購入を検討し、20歳代の人生体験は終了しました。
20歳代終了時点で、貯蓄がマイナスになった班はありませんでした。先生からは「他のクラスでは、この時点で貯蓄がマイナスになった班もあったので、みなさんは堅実な生活をしていますね。ただし、30歳代以降どうなるか分からないので、引き続きしっかり考えていきましょう。」という指示がありました。
続いて30歳代の人生体験です。
「人生の3大資金とは、何だと思いますか」という先生の問いに、「家」、「自動車」、「子育て」などの意見がでてきました。正解は、「住宅資金」、「教育資金」、「老後資金」で、そのほかで多くのお金が必要となるのが「結婚資金」であることが先生から補足されました。
そこで、結婚をするかしないか、結婚した場合の働き方、子どもの人数を班で話し合って決めていきました。結婚しない班はなく、働き方や子どもの人数を決めていました。「配偶者」という言葉が分からない生徒もいたので、先生から「夫婦の一方から見た他方のこと、夫から見た妻、妻から見た夫という意味です」と補足もありました。
家族構成と収入が決まると、非消費支出も決まります。非消費支出一覧からそれぞれの金額を確認する中で、収入だけでなく、家族構成によって非消費支出が変わることに気づく班もありました。
ここまでの収支を計算した後、住居をどうするかについて検討していきました。
「人生で一番大きな買い物はなんですか」という先生の問いに、すぐに生徒から「家」と答えが返ってきました。「では、家を買う場合には3,000万円、4,000万円必要になるけれど、そのお金はどのように準備しますか」という問いには、「ローン」という答えが出てきました。
ここで、ローンの仕組みについて先生から説明がありました。ローンとは、後から少しずつ返す約束をして、先にお金を借りて必要なときにお金を使える仕組みであること、最初に頭金を払う必要があり、今回のゲームの中で頭金が準備できない場合には、住宅購入の際にローンを活用することができないことが伝えられました。
どの住宅にするか、支払方法はどうするか、今までの中で一番時間をかけて話し合いをする様子が見られました。人生で一番大きな買い物をする体験から、「貯蓄をしておく必要性」や、「将来を見通しながら、今のことを考える大切さ」を実感できたようです。
住居を決定した後の自動車購入は、とても真剣です。貯蓄や家族構成など、今の自分たちの状況を改めて確認し、どのようにしていけばよいのか考えていました。
保険に加入するかどうか検討する場面では、「非消費支出の中に社会保険料の支払いがあるけれど、公的保障とは別に、自分の意志で加入できる保険もあります。さまざまなアクシデントの支出に対して補てんをしてくれる仕組みです。」と先生から説明がありました。保険に加入するかどうかを決めた後、イベント&アクシデントカードを引きました。人生には不測の事態が起こる場合があること、保険に加入していれば、アクシデント支出を補てんできる場合もあることなど体験できました。
30歳代までの貯蓄額と思い出ポイントを計算し、人生の振り返りを行いました。