
2時間目の授業は、将来どのような生活を送りたいか考えるため、「生活設計・マネープランゲーム」を行いました。
授業にはいる前に、「市場の働きと経済」の授業に入ってから、株式会社とお金の仕組みを理解するDVDを見たこと、講師派遣授業で銀行について話を聞いたこと、前時の授業で銀行がどのような業務を行っていて、社会の中でどのような役割を担っているかを学んできたことについて、古頭先生から確認がありました。
そして、今までの内容を踏まえ本時の授業は将来の生活を擬似体験しながら、お金との関わり方を考えていくゲームを行うことが伝えられました。
各班にカードが配布され、準備が整いました。
ここで、生活設計・マネープランゲームの中でもポイントとなる「ローン」と「保険」について古頭先生から説明がありました。家や車など大きな買い物をする場合、貯蓄があれば一括で購入できるが、貯蓄がなければお金を借りる=ローンを活用することになること、ローンは返済する際に利息を払わないといけないこと、ローンを活用する際、頭金を多く準備できれば返済総額が少なくて済むことなど、ローンの基本的な仕組みが伝えられました。保険は、事故やケガなどアクシデントに対する備えで、何かあった時には役に立つが、何もなかった場合には掛け金が戻ってこないことが伝えられました。
さっそく20歳代からゲームを始めます。
各班、収入カードと基本生活支出カードを1枚ずつ選びます。班長が引いたカードの金額を記録係がマネープランシートに記入していきますが、古頭先生も同時進行でカードを引きながら、自分の結果をホワイトボードに数字を記入していきます。古頭先生の記入例を見ながら、どの班も迷うことなくシートへの記入が進んでいきました。
20歳代で貯蓄がマイナスになった班は2つありました。
30歳代では、様々な人生の選択が待っています。結婚、子ども、家や車の購入です。
「結婚できるといいな」と言いながら、どの班も結婚カードを引いていきます。1つの班だけが結婚しないカードを引きました。他の5つの班は続けて子育てカードを引き、子どもの人数も決まりました。
ここまでのカードの内容で、貯蓄額を計算していきます。共働きの班は年収が1.5倍になり、20歳代で貯蓄がマイナスだった班も少しずつ挽回してきました。
貯蓄額が計算できたら、家について考えます。一括で購入できるのか、頭金を払ってローンを活用するのか、借りて住むのかを決めていきます。大きな買い物をするのはとても大変なことだということを感じ取ることができたようです。
車の購入については、ほとんどの男子が「買う」という意見で、どの班も購入していました。次に、保険に入るかどうかを決めてから、イベント&アクシデントカードを引きます。 過労で入院や株価高騰など、人生には思いもよらない出来事が起こることも体験していきます。
40歳代は、30歳代と同様にゲームを進めました。
50歳代になり、古頭先生から質問がありました。「50歳代から子どもの生活費が必要なくなるのはなぜでしょうか」。生徒からは「子どもが成人するから」とすぐに答えが返ってきました。子どもの生活費が必要なくなった班は、「少し余裕がでてきたかも」と計算を進めていました。
60歳で定年を迎え、退職金カードを引きます。ほとんどの班は退職金をもらうことができました。
各班の貯蓄額と思い出ポイントの結果は次のようになりました。
班 | 貯蓄額 | 思い出ポイント |
---|---|---|
1 | 1億9,100万円 | 30 |
2 | 3億8,100万円 | 16 |
3 | 1,700万円 | 38 |
4 | 4,600万円 | 48 |
5 | 2億900万円 | 3 |
6 | −9,700万円 | 47 |
自分たちが思い描いていたのとは全く違う人生になったようでした。
各班の一言コメント
- 思い出は少ないけれど、お金はすごく貯まった人生でした。もう少し思い出が欲しかった!!
- バランスのとれた生活ができ、資産が残せてよかったです。
- 借金は多かったけど、寄付をして、家族もいて、車もあって幸せな生活が送れたからよし。
- 良くも悪くもない人生だった。
- 20~50歳代は借金だったけど、最後に宝くじが当たりました。
- 仕事人生で、思い出もなく、結婚もしないで子どももいなく、とてもつまらない人生だった。
本時の内容をもとに、次時は人生とお金との関わりについて、内容を深めていく授業が行われることが伝えられ、授業は終了となりました。