
3年生家庭総合で、高校卒業後の経済的自立と職業について主体的に捉え、「お金」に関わる自立的態度を養い、将来を見通した生活設計、経済準備が意欲的にできるようになることを目的に、授業が実施されました。
本時は、一人暮らしに必要な家計の内訳をシミュレーションし、家計の意味を理解していきます。
「5年後、皆さんはどのような生活をしていると思いますか」という先生の質問から授業は始まり、生徒からは「東海地方で働いていると思う」、「結婚しているかもしれない」など様々な回答がありました。他のクラスでは、「30歳までに一人暮らし、車の購入、結婚、住宅購入をしている」といった回答もあったそうです。
ここで先生から、一般的に〔1〕23歳で一人暮らしをするとしたら毎月いくらお金がかかるか、〔2〕何を優先して支出しているか、の2点について、一人暮らしの家計管理を体験する「家計管理アドバイザー体験」を通じて考えていくことが先生から伝えられました。
まず、アクティブラーニング型授業プログラム「家計管理編」授業用スライド (「一人暮らしにかかる費用の例」)で、生活にかかる費目を確認し、それぞれにいくらくらいお金がかかるのか予想しました。
続いて、アクティブラーニング型授業プログラム「家計管理編」 を使用したグループワークで家計管理アドバイザー体験をしていきます。この授業プログラムでは生徒が「家計管理アドバイザー」になり、依頼者の要望にもとづいて住居費や水道光熱費、食費などの生活設計をしたうえで、必要な費用を計算することで家計管理を体験していきます。具体的には、依頼者の要望や必要な費用等が記載された「一人暮らしオーダーシート」から必要な情報を読み取り、計算した内容を「家計管理ワークシート」に記録していきます。本時の一人暮らしオーダーシートは本教材をもとに制作した先生オリジナルの内容で、静岡商業高等学校を卒業した就職5年目の「静岡商人」さんの特徴とオーダー(生活レベル等の希望)が記載されています。
生徒たちは一つ一つに目を通し、班で話し合って生活費を決めていきました(下表「調整前金額」)。
ここで先生から追加情報として、静岡商人さんの実際の収入(給料234,000円、税金や社会保険料など非消費支出45,000円、手取り収入189,000円)が伝えられました。
先ほど各班で検討して、静岡商人さんの希望どおりに設定したプランでは収入が足りないということが分かったため、実際の収入を基にプランを調整することにしました。先生からは「静岡商人さんの夢や目標を最大限大切にしながら生活できるプランを考えてみてください。」という指示がありました。
家賃や食費など、金額が大きい費目から調整をするのか、水道光熱費や通信費など生活スタイルから見直して調整をするのか、班ごとに着目するポイントが違うようでした。
金額の調整がついたら、アドバイス(調整する際に大切にしたところや、考え直した方がよいところ)とともにホワイトボードに書き出し、共有しました(下表「調整後金額」「アドバイス」)。