
2年生家庭基礎 「消費生活と経済」の分野で、消費生活の現状と課題、消費者の権利と責任について理解したうえで、適切な意思決定に基づいた行動ができるようになること、生涯を見通した生活における経済の計画や管理について考えられるようになること、生活と環境のかかわりについて理解し、持続可能な社会を目指してライフスタイルを工夫し、主体的に行動できるようになることを目的とした授業が実施されました。
1時間目は、ひとり暮らしにかかる費用を家計管理アドバイザーの立場で考えることで、家計管理の基礎的な力を身に付けることを目的とした授業が実施されました。
「ひとり暮らしをするためには、1ヶ月どれくらいのお金が必要になると思いますか」という先生の問いから授業は始まりました。「5万円」、「20万円」、「15万円」など、生徒たちは答えていきますが、具体的なイメージは持てていないようです。
そこで問いを変えて、「どのようなことにお金がかかるのか」を答えてもらいました。家賃、光熱費、食費、通信費など、具体的な費目が挙がると、イメージしていたよりもお金が必要になることが見えてきました。「ひとり暮らしにかかる費用の例」をスライドで確認したところで、先生から「ひとり暮らしをするには様々なことにお金が必要です。この後は、みなさんが『家計管理アドバイザー』になり、ひとり暮らしを始める3人の依頼者の家計について考えていきます」と、本時の活動の説明がありました。シリーズ教材お金のキホン アクティブラーニング型授業プログラム 家計管理編 の ひとり暮らしオーダーシート と 家計管理ワークシートを使って、1,2,3班は「すずきいくこ」さん、4,5,6班は「やまだはなこ」さん、7,8班は「浦和一郎」さん※のオーダーに沿った支出を考えていきました。 ※先生作オリジナルオーダーシート
はじめに個人ワークで、オーダーシートに記載されている各依頼者の希望に沿った支出計画を考え、費用のランクと金額をワークシートに記入していきました。個人ワークができたところで、その内容を持ち寄り話し合いながら、班で支出計画を組み立てていきました。
各班の支出計画がまとまったところで先生から、3人の依頼者の収入状況が発表されました。どの依頼者も給料から非消費支出分が引かれた手取り収入は、希望の支出計画とは見合っておらず、生徒からは「どのように調整していけばいいのだろうか」という声が上がりました。収入と支出計画の差額を計算したところ、15万円近くのマイナスが生じた班もありました。
そこで、家計管理アドバイザーとして生活費を調整し、収入に見合った現実的な生活費に修正していきました。その際、ただ費用を圧縮するのではなく、依頼者の夢や大切にしたいことを尊重しながら、依頼者が納得する説明も考えるよう先生から指示がありました。
オーダーシートに書かれている依頼者の年齢や特徴、希望を改めて確認し、どの費目を大事にするか、どの費目から圧縮できるかなど優先順位を決めたうえで費用調整に取り組む班、家賃や食費など、金額が大きい費目から調整する班、水道光熱費や通信費など生活スタイルから見直しをする班など、それぞれの班が家計管理アドバイザーとして話合いをしながら支出の見直しを進めていきました。
金額の調整をしながら、依頼者に納得してもらうためのアドバイスも考えていきました。
各班の結果は以下のとおりです。