
事前・事後アンケート [433 KB]
消費生活は、生徒にとって未知の部分が多い。生活費を自分で稼いでいる生徒は少なく、家計の費目もよくわからない生徒が多い。また、こちらとしても生徒の家庭所得に開きがあるため、非常にデリケートな分野である。
全銀協の教材は、ひとり暮らしを想定しており、生徒が自分の家庭と直結させることがないので扱いやすい。また、理想と現実の違いから家計の見直しをすることで、就職すると自分で稼いだお金を全て自由に使えると思っている生徒が生活費の負担に目を向けるようになり、非消費支出によって社会の責任を考える機会となっている。
「社会への扉」はクイズ形式となっており、契約・お金・消費者問題・相談機関が理解できる仕組みとなっている。製作者が一番正答率の低い問題を選んだという通り、授業の前にすべてを正解するのは難しいが、一通りの問題解説をすると正答率が格段に高くなる。キャッシュレス社会や投資についてはこの冊子だけでは足りないので、全銀協の「シリーズ教材お金のキホン マナブとメグミのお金のキホンBOOK」が役立った。クレジットカードの仕組みや問題点については細かく解説しすぎたために、理解できたと思う生徒が少なくなってしまった。基本的事項のみおさえるだけで十分かもしれない。
消費の裏側についても考えさせるため、環境とのつながりや国際目標についても授業で触れた。国際社会の一員としての日本の立場や世界とのつながりまで考えた消費の在り方まで考察してもらいたい。
最後はまとめとして悪質商法についてジグソー法を実施した。悪質商法をなぞっているだけでは、騙される方に問題があるとしか思わない生徒たちも、事例研究を行うことで「自分も騙されるかもしれない」と思うようになり、騙されてしまう心理やそれを解決するための法律への意識が高まった。まとめとして弱者としての消費者の立場と、総体としては強者となりうる消費者の立場を対比させることにより、消費への意識変化があった。このような変容を大切にしていきたい。
一連の授業実施前と授業実施後にアンケート調査を実施し、授業テーマの理解度を確認した。
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