
まず、このような機会をいただき感謝申しあげます。
全国銀行協会が発行している教材は、過去に使用したものもありましたが、「生活設計・マネープランゲーム」は今回初めて使用させていただきました。
家庭科は生徒を自立させるための教科であるという想いから、日々授業に取り組んでいますが、現実的なことを教師が生徒に伝えようとしても限界があります。生徒に一番効果的なのは実体験だと思います。しかし、実体験も授業内で出来ることには限りがあります。この「生活設計・マネープランゲーム」は、お金の流れを中心とした人生の疑似体験を手軽にできるところが素晴らしく、取組方法も簡単で、一度自分で練習するだけで授業に活用することができます。
家庭科の授業を始めるにあたり、1学期のオリエンテーション内でライフプラン表を生徒に作成させました。今回、「生活設計・マネープランゲーム」を終えて再度作成させたところ、ほとんどの生徒に年度当初に考えた自分のライフプランが現実的ではなかったという気づきがありました。
本校の生徒は大半が進学を希望しており、働いてお金を稼ぐという意識が薄い傾向にあります。また、保護者からの支援が非常に厚く、お金の流れに対して敏感ではありません。しかし、今後生活をしていく中で必要になる収入や支出といった生活費等の流れを疑似体験することで、今置かれている環境が当たり前ではないということを知り、今後の人生に本当に役立つものとなりました。
単元を終えた反省点としては、この一連の授業を通じて生徒に必要以上に不安を与えてしまったことです。何にどのくらいどのようなお金がかかるのか、そのための備えがどうして必要なのかを伝えることは出来ましたが、生徒からは費用を心配するあまり、結婚や子育てに対して消極的な意見が出てくる場面もありました。この点、他の単元で様々な角度からフォローしていこうと思っています。
この単元は家庭科のみならず、社会科や数学科とも連携することが可能です。
また、「生活設計・マネープランゲーム」は教員同士で行っても十分に楽しめ、自身の学びにもなると思います。教員間の連携を図ったり、コミュニケーションツールのひとつとしても活用できます。
全国銀行協会で発行している教材は、パンフレット型のみならず、パワーポイント、映像教材と種類も多くあります。今回は全てではなく、授業のねらいに応じて一部分を活用し、授業に取り入れていきました。
昨今、働き方改革が重要視されていますが、専門的な機関で作成された教材等を授業のねらいに応じて部分的にでも活用していくことで、教材研究や授業準備を効率よく進めることができると思います。