
単元全体を通して授業を策定するにあたり、生徒に単に知識を覚えさせるのではなく、将来社会に出たときに考えるべきことや、世の中がどのようになっているのか事実を根拠に考察させたいと考えた。実際に授業を実施するまでは、生徒がどのような意見を出すか不安なところもあったが、実際には着目して欲しいポイントに生徒が気付き、想定を上回る多くの意見を出してくれた。特に、既習内容や資料等の読取りからの「これからの社会や経済状況がどのように変化していくか」という問いに対しては様々な意見が出てきたが、単元のまとめとして「これからの社会の変化を見越して、学生のうちにどのような力を身に付けておくべきか」という問いに対しては、同じような意見しか出てこず議論が起こりにくかった。
全国銀行協会の教材「はじめてのお金の時間」(テーマ1お金を使う キャッシュレスってなに?)を活用した1時間目の授業では、現金とキャッシュレスの特徴や長所と短所を、まずは生徒だけでまとめさせる設定とした。自身の経験値と配布資料(授業進行スライドをプリントアウトしたもの)の読取りから、現金とキャッシュレスそれぞれの特徴を理解したうえでまとめることができた。教科書の内容だけでは足りない情報を教材で補うことで、キャッシュレス化が進むであろう日本の将来の様子をイメージしながら、具体的に考えることができていたと思う。